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第2話 白い鳥

작가: 雫石しま
last update 최신 업데이트: 2025-10-02 03:36:05

八月の終わり。夏の陽光に照らされ、赤いカローラのボンネットは目玉焼きが焼けるほどに熱かった。私たちはサイダーを飲みながら、福井県の東尋坊に向かっていた。カーラジオからは懐かしいメロディが流れ、クーラーのついていない車内は暑く窓を全開にして私たちは国道8号線を下った。

「お母さん、元気かしら」

「お義母さんには心配かけたからな…土下座だけじゃすまんな」

「あら、あなた土下座するつもりだったの?」

私の実家は京都府舞鶴市にあった。東尋坊の帰りに、母の家に立ち寄ろうと話していた。ところが東尋坊の駐車場は満車で、仕方なく路肩に駐車した。下を覗くと荒波が巌門を駆け上り、白い飛沫をあげていた。私たちは恐る恐る車から降り、東尋坊の展望台を目指した。途中、サザエの壺焼きの露天商があったので後で食べようと話をした。ロープだけが張られた展望台は、激しい風を吹き上げ、波飛沫が岩を削っている。崖下に吸い込まれそうな錯覚を覚え、恐怖を感じた。

その時だった。

隣にいた夫に羽根が生えた。いや…生えたように見えた。白いワイシャツが大きく風をはらみ、グラリと前のめりになった。あっという間の出来事だった。夫の身体は宙を舞い、東尋坊の崖下へと消えた。悲鳴があちこちから上がり、親子連れの子供は泣き出した。顔色を変えた警備員が警察に連絡を入れている。私は土埃が舞う足元に力無く座り込み、茫然と空を見上げた。どこまでも高く、青い夏空だった。

「ご愁傷様です」

「ありがとうございます」

白い灯台躑躅が小雨に濡れていた。読経が流れる中、美術工芸大学の教授やゼミナールの学生たちが次々に焼香に訪れた。線香から立ち上る白い煙が祭壇に揺れ、夫は四角いフォトフレームの中で和やかに微笑んでいた。たった一年半の結婚生活だった。畳で項垂れていると、斎場の一角から心無い囁きが漣のように広がった。

…自殺ではないのか

確かに夫は前妻との間の子に養育費を支払っていた。二十歳までの約束だったが来年の春、私立大学への入学で莫大な額を請求されていたという。そのほかにも、「橙子を残して死ぬのは忍びないな…」「どうせ死ぬのならお前に幾らか残してやらないとな…」と話していた。縁起でもないことを!と二人で笑い合ったが、夫はいつの間にか五千万円の生命保険を掛けていた。

あれは事故だ。

舞鶴市へ行くと言っていた夫が自殺をする?それにサザエの壺焼きを楽しみにしていた…自殺をするわけがない。私を残して断崖絶壁に身を投じるなんてあり得ない。質の悪い噂話に耳を塞いだ。

「帰ってください!帰って!帰ってください!」

気がつくと無我夢中で参列者を家の外へと追い出していた。小雨の中、黒い傘をさし喪服に身を包んだ影がガラス戸から遠ざかって行く。静まり返った家に、鋳物の風鈴の涼やかな音が響き渡る。菩提樹の葉を濡らした雨が雫となって滴り落ちた。

「橙子…その…舞鶴の家に帰って来てもいいのよ?」

「大学の授業があるから」

「……そう」

母親は通夜の皿やコップを片付けながら、不安げに覗き込んだ。そして私の着物の裾を見て顔色を変えた。

「橙、橙子…あなた、大丈夫なの!?」

漆黒の着物の裾はドス黒い血で染まっていた。そういえば今朝から下腹がシクシクと痛んでいた。月のものだろうと準備はしたが、その量ははるかに予想を超えていた。それは流れるように畳を赤く染め上げ、痛みは増して来た。

「救急車!救急車、呼ぶわね!動かないで!」

「……う…うん」

母親は震える手でスマートフォンを握っている。次第に脂汗が額に滲み、目眩と痛みで夫の遺影が何重にも重なって見えた。程なくして救急車のサイレンが表通りで止まった。救急隊員が家に踏み込み、私をストレッチャーに乗せた。ガタガタと揺れる振動が下腹に響いた。雨粒が頬に冷たい。

目覚めた時、私は白い天井を見上げ人工呼吸器を着けていた。隣を見ると暗闇に緑の波形が規則正しく心拍数を刻み、耳障りなビープ音が部屋に響いた。点滴が菩提樹の雫のようにポタポタと落ちている。呼吸が苦しくなりナースコールのボタンを押した。

「目が覚めたんですね、良かった…どうしました?」

薄いカーテンを少し捲り、白衣の看護師が優しく微笑む。意識は朦朧としていたが、ストレッチャーの車輪の振動を背中に感じながら病院に運び込まれた。何人もの看護師が真剣な表情で見下ろしている。そして眩しいライトに照らされ…そこまでは覚えていた。

「息が…出来ない…んです…これ、外してもらっても…いいですか?」

「ちょっと待って下さいね」

看護師は手際よく人工呼吸器を外し、ワゴンの上に置く。自由に喋ることが出来るようになった私は何気なく聞いた。

「私…何かの病気だったんですか?」

鎮痛剤が効いているのか、ふわふわと宙に浮いているような気がする。

「……」

看護師は視線を逸らし、点滴の残量を確認した。ジワリと病室に重い空気が広がった。

「あの…」

「今、先生がいらっしゃいますから、その時にお話ししますね」

「…はい」

不安が頭を過った。やがて難しい顔をした銀縁眼鏡の医師がベッドの隣に立った。

流産だった。私は夫の子供を身籠もっていた。

「…今後、妊娠出産は難しいかもしれません」

医師にそう告げられた瞬間、母親は床に泣き崩れた。世界の全てが色褪せて見えた。

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